. Camera Restore

リサイクルファインダー

 ジャンクボディーからファインダーを抜き出して汎用に加工した。

 事の起こりは先日レストアしたニコノスUのファインダーが曇っていたから。このファインダーは アルバダフレーム式で、接眼レンズの前にフレームを書き入れたハーフミラーがあり、外から 来た光を使って前に反射、これを対物レンズの後のハーフミラーで反射させて送り返し、空中像で 画角を示すフレームを入れている。この形式では画像が暗くなりやすいこと、余分な反射によって フレームが見えにくくなる欠点があるが、簡単コンパクトなので多くのカメラに使われている。 しかし、経年劣化でハーフミラーの蒸着が痛むと見えが悪くなる。



 あいにく、ニコノスは窒素を封入して完全密閉になっているので、開いて掃除することはできない。 仮に下から穴を開けて清掃するなどできても、フレームが薄くなったり消える可能性が高い。


 
 代用の別ファインダーを考えた。35mmレンズ用なので、市販品はあるがなかなか高価だ。 廃物利用しようと25mmレンズのリコー・キャディーを考えた。キャディーは縦位置なのでこの ファインダーを90度にセットすればよい。



 ハーフの25mmレンズは画角がほぼ35mm相当なので、これなら小さくとも使える。加工も少なくて 済む。キャディーのものは採光式ブライトフレーム(フレーム用は別の窓で光を取り込み、画面に 取り込む)だから分離が良く、明快なので使い良いはずだ。

 実用してみたら使いよくない。全体が小さいので倍率が低く、ニコノスのボディーからくる感覚 とは合わない。また、フレームが小さすぎてフレーム外に写る面積が多すぎる。もちろん一眼レフではないから 視野率は低いが、ちょっと使いにくい。これなら枠だけのファインダーの方が使いやすい。

ーーーーー−−−−−−−−−−−−−ー−−−−−−−−−−−−−ーーーーーーーーー

 そこで、ニコノスWの本体から使いまわそうと考えた。



 簡単に言うとこのように切り出した。ベビーサンダーに金属カッターの刃をつけてぶった切った。 この作業はきわめて危険なのでいわゆる「良い子はさわってはいけません」である。方法は省略 するが、品物と道具をいかに固定するか、飛び散る金属粉や万一品が吹っ飛んだ時のケアなど、 道具になれていない人は絶対にやってはいけない。

 ニコノスのアルミボディーは厚い。薄いところでも5mmはある。どれほどすさまじい水圧に耐える 事を想定しているのか、さすがと言うべきか。切り出したファインダー部はアルミとガラスで ずっしり重い。おそらく世界最強の別体ファインダー(笑)



 アルミの固まりでずっしりとしている。この部分だけでも完全密閉だから当然防水である。



 アクセサリーシューを使うことはおそらく無いが、そのままつけておいた。



 もう少し削れるが面倒なので適当に仕上げた。アクセサリーシューにはまる部分はアルミ板から 適当に切り出した。ボロ隠しに塗装した。ウレタン塗料にシッカロールを混ぜて反射防止 している。

 アクセサリーシューはカメラや時代によって微妙に異なる。初期のものはほとんど一台ごとに異なる。ホットシューが 普通になったころから、レール部をバネで受けるのが普通になり、ある程度の差は受け入れられる。 従って、汎用には小さめに作る方が良い。多少の動きは使い方で注意すること。ヤスリで削りながら妥協点 (他のカメラにもつけられる)を目指した。


 ニコノスにつけるとこんな感じ。兄弟のものだからなじみが良く見やすい。パララックスが上下だけなのでオリジナルより 使いやすそうだ。ただ、これを装着するとシャッターロックが使えない。ロックの必要性は低いからあまり困らないが、 もう一工夫しても良いかもしれない。


☆距離計機などピントグラス式ではないファインダーは、採光式ブライトフレーム>アルバダ式フレーム>ガリレオ式、という 評価が一般的だが、画面の大きさと明るさは大きな要素だと再認識した。

 広角レンズでは視線を大きく動かさずに見渡せるのが全体を認識しやすいが、倍率が低いと全体が一つの絵になり、 細部を認識し難い。これは一眼レフの魚眼レンズなどでも見られることだが、観賞サイズになった時とはずいぶん違う感覚で、 全体を見誤り易い。広角で等倍は使いにくいが、縮小しすぎは勘違いの元だろう。また、採光式は全画面にハーフミラーが 入るので、明るさがはっきり少ない。フレームはきれいだが比較すると暗い。今回はそんな感想を得た。


Sept 2017


戻る