CANON 35 UC 1953



一見豪華なキヤノン35UCとそのレンズ群。Sコレクションであまり汚いので放り出されていたので、預かって少しは きれいにしようと試みた。(いろいろ賛助出演あり)

 なによりメッキの質が悪く、随所が赤くなっている。極力錆を落とし、ひどいところは銀のエナメルで目立たないように してみた。遠目ならなんとか見られるようになった。戦後しばらくの間に作られた製品は、軒並み低品質の素材が使われて いるように思う。特に皮とグリスとメッキの質に顕著だ。技術者の望んだ性能を実現できないほど製造能力が低く なっていたのだろう。戦前のものの方がむしろ良い場合があるので、戦争のダメージを感じさせられる。



 ついていたのはセレナー名の50o1.8、ついでに隣にあった25oを整備を兼ねて預かった。





 50oは試写でボケボケだったのでよく確認したら、四群構成の第三群の前、絞りに面した面に全体にカビがあった。普通に 透かして見るとわかりにくく見落としていたのだ。軽く磨いてみたが完璧にはならない。ガラス面にカビが食い込んで いる。一先ずこれ以上進行しない様に処理した。

 試写はもっぱら余り見ない25oで行ったのだが、こちらは繰り出し用のヘリコイドとは別に、距離計駆動のカムもヘリコイド を使っているのだが、このセレーションがずれていてフォーカスもできない。いくつかずらしてフォーカスは出来るように なった。ただし、距離計はまだずれているが、距離計が必要ではないレンズなので目測で使ってみた。













《試写》

 モノクロはプレスト、ネガカラーは業務用400にて













 3.4枚目がカビありの50o1.8、残りは25oのもの。全て目測のゾーンフォーカス。

☆ボディー自体の評価はバルナックのコピーだが、距離計を組み込んだファインダーはバルナックより機能的には上だ。 しかしあまり明るくないし使い易いとはいえない過渡的な感じがする。25oの撮影では距離計は一切使わず、ゾーンで 設定して画角は別ファインダーで行った。パララックスや傾き易いなど弱い部分はあるが、相手の懐にぐいぐい入って行く スナップの醍醐味を味わえた。

 50oは評価できないが、25oは予想をはるかに上回った。もっと周辺減光が激しく、トンネル的描写になるかと 思ったが、そのような事は無く、現代的な切れ味も感じさせる。同一シリーズの28oや35oより描写性能が 上ではないかとさえ思う。レアで高いレンズだが、それだけの価値はある。

 L39、いわゆるライカマウントのカメラをバルナックタイプと呼ぶ事がある。ライカの基本形のコピーが多く、 デッドコピーも含めて世界には実に数多くのバルナックタイプがある。キヤノンはカンノンカメラ時代からその制約を 少しでも越えようとしているように感じる。この2Cも外観はともかく距離計とビューファインダーを一つにまとめて 使いやすくなっている。まだ下からフイルムを入れるのがちょっと使いにくい。この頃のキヤノンは矢継ぎ早に このタイプを改良して発表している。それらの蓄積が使い易いPや7などに収斂したのだろう。
☆ちゃんと使えますね、25oは名器です>Sさん

January 2018

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