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Арсенал Kiev10



 独特のフォルムで異彩を放つキエフ10、ソ連のカメラの中でも目立つ存在。正確にはウクライナの国営工場、 アーセナルで作られた。一事は幻のカメラとも呼ばれた一眼レフ。

 ツイッターで知り合った Dona Zenith @paobabflowe さんから頂いた。彼は この手を何と4台も持っていて、これはその中で一応動くが問題ありなので使われていないということ、物欲より物珍しさで 手を上げて、遊ばせていただいた。十分味わったら若者に廻す予定だ。



 最大の特徴は前から見て目立つセレン受光部だが、ロータリーシャッターも珍しい。マーキュリーやオリンパスペンFなどに 見られるロータリーシャッターだが、横長の35oカメラでは収めるのが大変だ。これはそのためか扇形の3枚のセクタが 働いている。



 最大の問題は巻上げ部。リールが遊んでいて上に持ち上げないと連動しない。どうしてこうなったのか理解不能のリールの 損傷、ロシア人は何をやらかすかわからないので理解はあきらめ、対症療法として下に薄いアルミシムをコの字型に加工して 挿入、巻上げは連動するようになった。フイルム先端は固定し難いので、セロテープ併用で確実に止めるようにした。



 このカメラは本来はEEで、対応するレンズはコンパクトカメラと似た段カムを挟み込んだ位置で絞りを決定する 構造を持つ。当機は残念ながらメーターが不動で常に8前後なので、マニュアル露出で使うことにした。




 シャッターボタンを押すと黄色で示した内側のリングが動いて、メーターの針が振れた位置に応じたところまで絞りを 作動させてEEを実現している。そのため、シャッターストロークの前半は露出の確定に使われるので、ストロークは重く長い。



 マニュアル絞りはこの部分を廻して設定するが、異常に重いので給油した。



 レンズはヘリオス-81 50o2.0と標準的なレンズ。













《試写》

 最初は一本見事にアウト。開いているはずのシャッターの先幕と後幕が張り付いて廻っていた。前後からシッカロールで 張り付を緩和していろいろな速度で試したら直った。

 気を取り直して短いプレストと富士業務用400で続けた結果。







 モノクロで作動良好を確認、ネガカラーはいつもより時間をかけて写してみた。









 ネガカラーの36カット中、二枚に光漏れが疑われる部分があったが、その他は正常。

☆キエフはコンタックスコピーのイメージが強いが、これはちょっと違う。何よりシャッターの構造のためか全体に大きく 極めて重い。50oを付けると確実に1キロを上回る。そのおかげでカメラぶれは少ない。ファインダーは中央部以外はほぼ 素通しで、見易いがフォーカシングはできない。中央のマイクロプリズムとその周りのマット部で合わせるが、私には あまり見易いものではなく、手間がかかった。

 機能として露出計が動かないのでその点はリポートできないが、露出決定で使いにくくはなかった。標準レンズとしての ヘリオスは癖が少なく周辺まできちんとしていて良いレンズだ。

 巻上げは後ろにインジケーターがあり、ちゃんとフイルムを送れているのが確認できる。ただし、巻戻しは最低だ。 力が必要だし扱い難いし、これではノブの方がましと感じた。


☆見かけと違って実用的、面白いです>Dona Zenithさん

June 2018

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