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H.Bellieni



クラップカメラのネームプレートである。1900年のパリでグランプリというのは、19世紀最後の万博で新しい時代を代表した ものだが、おそらくそこで評価されたという意味だろう。[H.Bellieni]がメーカー名前で、ベリエンニとでも発音するのだろうか。 その下は英語ならコンストラクター・機器・精密にあたる単語と推測。その下はナンシーがフランス北部の大都市なので、 住所などと思われる。



 6.5×9のプレートで撮影するカメラで、時代と共にロールフイルムホルダーを背負うようになったもの。初期の報道などのスナップ 撮影を基本用途としたクラップカメラで、一段の大きい蛇腹で、レンズボードにヘリコイドを持ち、目測のフレームファインダー 仕様と、精密撮影にはピントグラスの併用が出来る。



 レンズの汚れやシャッターの市振りがあるので前板をレールから外す。ファインダーの前枠が取り付けられている。



 前板の裏側。ヘリコイドで組まれていて後玉が外し難いので、このまま前を外して清掃した。





 前板にほとんどの機能が集約されているので、残りの部分はまさに箱だけ。この間にレンズを清掃しシャッターを整備した。 空気でタイムを出すタイプなので、だいぶ遅めだが、最高速1/100秒は問題ないので分解は避けた。このタイプは注油しても あまり改善しない。どうしてもならピストン部の完全清掃・錆び落しと潤滑が必要。



 Beltiot Paris Clor 1:6 F=135 ベルチオの前後ほぼ同系のドッペルアナスチグマートタイプと推定。ノンコートで傷が非常に少なく、 一世紀を越えているとは思えない良い状態だ。





 前板はライズとシフトが可能だ。この時代のものは多くがライズ可能だが、シフトは珍しい。



 ピントグラスでピントの確認。ヘリコイドの指標を信用して良いと判断













 撮影にはロレックスの69ホルダーを利用した

《試写》

 アクロスにて実施









 ホルダーの継ぎ目から漏光があったのと、ミスでホルダーの位置がずれて光が入ったので少し手直ししている。最後は 三枚目の中央部で、1200dpiで取り込んだものをそのまま掲載

☆  大きさはあるが非常に軽い。目測で撮影したが、意外なほどちゃんと使える。昼間の戸外ならフォーマットの威力で十分に 上質な結果が得られる。報道用に使われたのはこの身軽さが喜ばれたと思われる。畳めばごく薄くなり、持ち運びが 簡単な点もあろう。ここにシンクロ接点を持たせれば十分な戦闘力、長い間使われたのは納得だ。

 欠点は何より拡張性の無さか。組立強度を保つにはタスキ部は開いたら固定が望ましい。ここに距離調整部を設けたもの (マキナ1型など)があるが、調節範囲が狭く壊れ易い。ヘリコイドは強度が高いが、レンズ交換には向かない。 スピグラなどフォールディングカメラに負けていったのはその辺だろう。


☆使えますね>Sさん


October 2018

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